「米軍基地問題」と「原発問題」の根っこは同じ

 

(矢部)さっき、航空法の適用除外項目についてふれましたけれど、放射性物質に関しても適用除外条項があった。これは日米で、日米原子力協定という日米安保条約に非常に似た条約があるので、それを結ぶのに従って、こういうものが作られたという風に推測されるんですが・・・まず、「大気汚染防止法 第27条1項 この法律の規定は、放射性物質による大気の汚染およびその防止については、適用しない」。
「土壌汚染対策法 第2条1項 この法律において『特定有害物質』とは鉛、ヒ素、トリクロロエチレン、その他の物質(放射性物質は除く)」。

(高野)丁寧にちゃんと(放射性物質は)除いているわけですね。

原発に関する適用除外法

 

(矢部)「水質汚濁防止法 第23条1項、この法律の規定は、放射性物質による水質の汚濁その防止については、適用しない」と。
そして、さらにトリックとして、環境基本法 第13条の中で、そうした放射性物質による各種汚染の防止については「原子力基本法その他の関係法律で定める」としておきながら、実は何も定めない。この法的構造によって、原発災害(を起こした加害者)はすべて免責される。
なぜこういうことが分かったかと言うと、福島の農民の方が環境省に抗議に行ったわけです。もちろん自分の畑が汚染されていますから、「何か対策を取ってくれ」と。その時に、環境省の担当者に、この土壌汚染対策法 第2条1項の条文を根拠に、「当省といたしましては、このたびの放射性物質の放出に違法性はないと認識しております」という驚愕の答弁をされるわけです。

(鳩山)違法性がないということですか。(放射能被害に関する責任は)すべてを除かれているから。

(矢部)そうです。こういう構造があって、この法律は一部改正されるわけですが、結局2012年6月27日、原発事故から1年3ヶ月後に原子力基本法が改正されるわけです。

2012年6月27日に改正された原子力基本法

 

(矢部)第2条2項に、「原子力利用の安全の確保については、わが国の安全保障に資することを目的として、行なうものとする」という非常に奇妙な条文が入る。

(鳩山)原発の安全の問題が、安保の問題になるということですね。

(矢部)不思議な条文です。

(高野)付け加えられたんですね。「安全保障に資する」というところが。

(鳩山)「原子力利用は安全保障である」と。

(矢部)そうしますと、さっきの(「安保関連の類の問題は憲法判断しない」とした)砂川最高裁判決があるから、もう(最高裁は)憲法判断できなくなるわけです。放射能汚染の安全性の問題について。この新しい条文の意味するところは、今後、日本政府がどれだけ放射能汚染について、国民の安全や健康に害を与えるようなことをしても、それはまったく規制できないということなんです。国民は何も言えない。

(高野)つまり、「『日米合同委員会』で決めるマターになりますよ」と、そういう意味でもありますよね。

(矢部)(実際にそこで協議されるかどうかは分かりませんが、構造としては)そういうことです。

(鳩山)ということで、矢部宏治さんに、今日はまず第一部として、『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』と。その深いところに『日米合同委員会』というものがあって、そこで決められたものが、憲法判断をされないわけですから、すべての日本の法規を超えているものになってしまっていると。
したがって、私が辞めた問題に関しても、様々なそういった流れの中で一連の動きがあったのではないかという推理が成り立ってくるということだと思います。あと原発に関しても、同じような法的な仕組みというのが、実は裏でしっかりと作られているということでございました。
これからさらに来週も、矢部宏治さんにお出ましいただいて、この続きをさらに・・・。

(矢部)(来週は、)結局、これは構造的な問題ですから、解決するには構造の方に手を付けないといけないというお話を・・・。

(鳩山)その問題を、来週は放送させていただきたいと思います。今日はありがとうございました。